北海きたえーる公演から半年が経過した本日、ベストアルバム「ポルノグラフィティ全書」DVD「PG wasn't built in a day」の発売が発表された。
その記念に北海きたえーる公演のレポを書いてみたいと思う。
ちなみに当時書かなかったのは、モチベーションがなかったからだろう。
2018.12.22に同所で行われた「UNFADED」を超えるライブはないだろうと正直思っていたが、余裕で超えてきたことを、先に記しておく。
座席はアリーナ席の11列目、タスク側であった。
僕の左は母、右はセンターステージであった。
死を覚悟した。
16時半から、真実のクチ所長による客いじりが始まる。
変顔して、あざとい仕草して、片足立ちして、ポルノグラフィティへの愛を踊りで表現してなど。
特に、変顔しては、マスクしなくてよくなったから、できることだなとしみじみ。
一瞬、岡野昭仁の「丸い月が」という声が流れるアクシデントがあった。
17時に会場が暗くなる。
鳴り響いたファンファーレは、一曲目のメロディを奏でていた。
訓練された観客は皆「foo!foo!」と叫ぶ。
ステージ中央から岡野昭仁と、黒いレスポールを抱えた新藤晴一が現れ、センターステージに向かい、まっすぐに歩いてくる。
「この背中に必死にしがみついて生きてきて、もう20年か」と。
1. Century Lovers
いきなりテープが飛んでくるが、一本も取れず。
2. テーマソング
岡野昭仁「やっと歌えるぜ!」
イントロで母と僕が一瞬スクリーンに映っていた。
間違いなく演奏されると思っていた曲を、早くもやってしまった。
3. キング&クイーン
これが序盤に来るのは、実は新鮮である。
ウォウウォウコーラスは、もちろん会場全員で。
4. Mugen
展開が熱すぎる。
岡野昭仁が、いつも通り、熱くなってますか、わしらがポルノグラフィティじゃ、と。
また、今日は男が多いと言っていた。
新藤晴一が、鼻ほじりながら「朝の情報番組で見たんだけど、名前分からんけど、初めて北海道でライブやる人が出ていて、セイコーマートが、みよしのが、とかいうわけよ。
俺らみたいに北海道がホームだと思えてからがミュージシャンだなと」と言っていた。
岡野昭仁「2024年3本目のライブということだけど、なかなかあけましておめでとうとも言いづらいのが、元旦に能登半島地震があって。
エンターテイメントを創るわしらは、こういうときにできることってそんなにないんだが、みんなの心が少しでも明るくなるように演奏します。
REUNIONを聴いてください」
5. REUNION
暁でやると思ったが、やらなかった曲である。
6. 俺たちのセレブレーション
スクリーンには、歴代のライブ映像のコラージュが映る。
7. アニマロッサ
2番サビ終わりのヒロのベースと、みなちんのキーボードが気持ち良すぎた。
8. ミュージックアワー
殺 す 気 か 。
ダイヤル、一通、うさぎちゃんといった歌詞での観客の動きが訓練されすぎていて、恐怖を覚えるレベルだった。
岡野昭仁「真ん中でやります」
や め ろ 。
スタッフがセンターステージにゾロゾロ出てきて、楽器、エフェクターボード、マイクスタンドなどを次々に設置する。
この間、岡野昭仁と新藤晴一は、きたえーるの由来は、応援のエールと「鍛える」のダブルミーニングだと話していた。
2008.6.28に稲葉浩志が、2023.1.14に結那が話していたことである。
センターステージに、岡野昭仁、新藤晴一、ヒロ、タスク、みなちん、玉田豊夢が歩いてくる。
音楽で生きていくことを決意し、何十年も戦ってきた男たちだ。
面構えが違う。
岡野昭仁「久しぶりの曲です。Sheep」
9. Sheep
僕がカップリングで一番好きな曲をやりやがった。
毎秒タスクと目が合っていた。
岡野昭仁「この曲を作った時は、まだ30代で、ティーンエイジャーの気持ちがあったけど、50代目前にこんな曲を歌うのも恥ずかしいけど、その時の気持ちを曲に閉じ込められるのが、音楽のいいところです。
もう一曲やります。ジョバイロ」
10. ジョバイロ
みなちんが目の前でアコーディオンを弾いていた。
ぽわぽわしたSEが流れ、スクリーンには、花、バッタ、雨、雷が映る。
もうどの曲かは察した。
だが、流れたイントロに耳を疑い、新藤晴一が抱えていたギターに目を疑った。
11. フラワー
キーがおそらく半音下がっていた。
そして、新藤晴一のギターは、ドクロテレであった。
これは泣けたな。
新藤晴一がギターを持ち替えるのを待たずして、次の曲が始まる。
12. 夜間飛行
まさか君にまた会えるとは思わなかった。
スクリーンの映像は、イントロで滑走路に一つずつ光が灯り、サビで飛行機が離陸、夜景が映り、アウトロで着陸という感じ。
ちょうど今2000字なので、皆さん休みながら読んでください。
13. Taking a break
14. オレ、天使
岡野昭仁の背中にリアルに天使の羽が生えていた。
「UNFADED」の一曲目だったから、もうやらないかと思っていた。
こういうのが、ポルノグラフィティの恐ろしい点である。
15. 170828-29
実は、イントロだけでは何の曲か思い出せなかった。
火柱がボンボン出る。
ミサイルが飛んできて城が破壊されるゲーム感ある映像が流れる。
16. アビが鳴く
母が最も聞きたかった曲である。
歌詞がスクロールされ、戦後の復興的な映像が流れる。
両手に大量の銃弾が握られた映像が印象に残った。
「UNFADED」の終盤、岡野昭仁が「色あせてはならない記憶を大切に持って進んでいきましょう」と言った後に「RECEIVER」が演奏された。
戦争や災害の映像が流れ、最後に中央に映った女性が開いた掌には「UNFADED」と書かれていた。
しかし、今、掌には人を殺し、物を壊すことができる銃弾が握られている。
今も、戦争や災害は、続く。
色あせてはならない記憶は、今も僕らの中にあるだろうか?
新藤晴一「今日のために新曲を作ったんだけど。
経済用語で、失われた20年とか30年とか言うんだけど、俺たちにとっては失われたものなんてないし。
明日じゃないといけないとか、ここじゃない場所じゃないと良いものが見えないとかって、なんか違う気がして。
ここから見渡せば、良いものが見られるんじゃないかという歌です」
17. 解放区
「170828-29」で破壊された城が再建され、光に包まれるような映像が流れる。
この城は、大切なメンバーの脱退、故郷を襲った豪雨、震災、疫病など、さまざまな困難を乗り越えたポルノグラフィティが建てた、どんなことがあっても絶対に崩れることのない城なのだと思った。
そして、ファンやスタッフやサポートメンバーにも、この先どんなことがあっても、ポルノグラフィティを愛したという誇りがある。
ちょっと脱線するんだけど。
アニメ「ラブライブスーパースター」において、葉月花は、廃校の危機に瀕した自分の学校を救おうとしたが、廃校は阻止できなかった。
だが、学校を救おうとしたことを後悔していなかった。
そして、葉月花はこの世を去ってしまったが、新しく創立された学校は、娘である葉月恋と仲間たちによって、立派な学校へと育った。
「私(葉月花の遺志)とお前(葉月恋と仲間たち)が、ここにいる限り終わりはしない」のである。
「誰もの頭上に輝くクラウン」という歌詞は、平安名すみれを思わせる。
また「それさえできない夜はここにおいで」という歌詞は、虹ヶ咲2期最終話で高咲侑が言った「元気が欲しいときは、会いに来て!」というセリフを思わせる。
岡野昭仁「まだまだ盛り上がっていくよ」
センターステージにマイクスタンドとエフェクターボードが設置される。
18. 空想科学少年
タスクがキーボードを弾いていた。
19. ハネウマライダー
ラストで紙吹雪が舞う。
これは、2019年の東京ドームでの「VS」と同じ光景だった。
20. アポロ
いやー、ここでデビュー曲やるとかさすがだわ。
アウトロで新藤晴一がメインステージに戻り、花道に立った岡野昭仁が歌い始める。
岡野昭仁「わぁ・・・」
わ。
21. サウダージ
岡野昭仁「みんなの声が聞けて、楽しんでる姿を見れて、わしらも最高」
22.オー!リバル
コーラス部分で、岡野昭仁がセンターステージに歩み出てくる。
「UNFADED」では、この曲でガチ泣きしたが、今回はそんなことはなかった。
ラストにはツアーロゴが描かれた幕がステージに下がる。
ポルノグラフィティという城を創ったのは、岡野昭仁、新藤晴一、そしてTamaだが、スタッフ、サポートメンバー、そして、たくさんのファンの手、目、声、そして愛によって、竣工したのであった。
岡野昭仁が、ギターを持った帽子のスタッフに「スタンドもない?」などと言う。
新藤晴一「25年やっていて、初めてスタッフから、ゴリゴリにトラブってますと言われた。
大泉さんがテレビで紹介していたスープカレー屋に行こうかなとNAOTOさんに言ったら、そこよりうまい店3つ紹介すると言われた」
23. アゲハ蝶
みんなで声出して、ラララを歌えるようになったんだなとしみじみ。
サポートメンバーを一人ずつ呼び込む。
新藤晴一「見ていた夢って、こうやってツアーをまわることだったから、これからもやっていけたらいいなと思います」
岡野昭仁「25年となると、数字がでかくなったなと。
25年迎えてどうですかと聞かれたとき、山あり谷あり、紆余曲折ありましたと言った方が、人の心には刺さるんだろうけど、よくよく考えると、そんなことはなくて、いつも順風満帆だったんじゃないかなと。
晴一と次はどんなことしようかと話して、なかなかアイデアが出なかったり、見えていた道が半透明になったりしたけど、その道をスタッフやファンの皆さんが作ってくれて、歩いてこれたと思います」
24. ジレンマ
今回初の試みとなった撮影OK曲だった。
僕のスマホに6分にわたる動画として、大事に保管してある。
申し訳ないが、終了後の生声などは、まったく覚えていない。
ついていくのに必死だった続ポルノグラフィティ、良い意味でガチでころされかけた暁に比べれば、声出せたというのもあり、純粋に楽しめたと思う。
近いステージ、メンバー、そしてヒット曲の連発に失神寸前ではあったが。
因島・横浜は行けないので、来年か再来年かわからないが、またポルノグラフィティに会える日を心待ちにしている。
4000字に及んだが、ここまで読んでくれたあなた、ありがとう。