ポルノグラフィティ 6th ALBUM「m-CABI」(2006)の11曲目に収録されている2分ほどの短い曲である。
特にAメロでは、岡野昭仁がロボットのように歌っているのが特徴である。
短い曲なので、カラオケで歌うのもオススメである。
歌詞は、私なんかが要約するより、読んでもらった方が早いと思うのだが、要約すると
「アルバム制作前に、我々は三重県で、ヒヨコ鑑定を50年やっている人から、的確な分別を習った。
自分たちの曲をキャビネットに整理していったが、愛や愛にまつわるものBOXだけが埋まった」
ということである。
ここからは私の推測になるが、おそらく「三重県でヒヨコ鑑定」のくだりはフィクションと思われる。
音楽と無関係だし、雑誌や会報の企画ではなかったはずだから。
また「デッサン」「ダイアリー」「一雫」といった例外を除き、新藤晴一は歌詞にはフィクションしか書かないからである。
だが「愛や愛にまつわるものBOX」の部分は、音楽を創る上で直面した事実なのだろう。
おそらく新藤晴一は「自分たちの曲を分別する」という作業から「ヒヨコ鑑定」を連想し、この歌詞を書いたのではないか。
だとしたら、新藤晴一は、かなり独特の感性を持っている。
新藤晴一が独特の感性を持っているのは、ファンなら知っているだろうし、ファンでない人も、これまでに新藤晴一が書いた歌詞や、新藤晴一が執筆した小説「時の尾」「ルールズ」を読んでもらえたら、分かるんじゃないかと思う。
しかしながら、ギターめちゃうまい、独特な世界観の歌詞も小説も書ける、新藤晴一って本当に何者なんだ?
ポルノグラフィティのパブリックイメージは「ボーカル歌うまいよね」って感じだと思う。
もちろんそうなんだけど、新藤晴一も、もっと評価されていいアーティストだと思う。